SERIES
シリーズ解説
心を照らす夜を描く
そこに向き合う事で出てくる答えやヴィジョンが無数にある。
シリーズ化を通してビジュアルやコンセプトを整理し
現代アートシーンの中で訴求されるべき事柄を発信している
BRITOPIA
曖昧な理想郷を俯瞰する
夜の都市景観はもはや原風景
その世界で暮らす人々に寄り添いたい
そう考えた時に僕はこの世界を理想郷として捉え
ストレートにシェアしたいと思った
現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒターは著作「絵画論」の中で
「絵画は絶対的な真実を表現するものではなく
むしろ曖昧さや矛盾を表現し人間の知覚の限界に迫るもの」
という考えを説いた
自然との共生という課題を抱えながら発展していく都市そのもの
光や空という境界が曖昧な構成要員が織りなす夜の世界
曖昧で不確かな現代社会
そこに理想郷を見出しマクロ(俯瞰)で向き合うことが
人々の心に共鳴を生み出す原動力になると捉え
Bright(光)とUtopia(理想郷)を掛け合わせた造語から生み出した
橘川裕輔のフラッグシップシリーズ
※To The Brightside とBrismは2024年にBritopiaに統合。

BOMB
眩しすぎる光を優しく
夜の街を歩いていると質量を伴った光が僕の目に入ってくる
少し強い刺激で見る世界はどこか背徳性を内に秘めながら
異様な美しさや優しさをも放っている
実在する現実の物の境界の
曖昧にさせ反復性を帯びながら増幅していくようだ
そんなある種のパラダイムシフト(劇的な出来事)
をBOMB と名付けた
マクロ(俯瞰)視点とは少し違った原風景の切り口が
ミクロ(等身大)視点に存在する
よりフィーリングが重視されるような感覚だ
淡い光のグラデーション
現実世界よりもインパクトのある色調
そういった表現で自身が感じたBOMBを体現
したら優しさに包まれる世界になった気がする
2019年に原型の「Midnight Bomb」 が誕生し
深化を重ね橘川裕輔の代名詞へと進化した

DNA
日本美術との接続
アーティストが「文脈」と接続すること
これは現代アートシーンではドレスコード。
海外での展示を経験し、アイデンティティのコアにある
「日本」をもっと発信する必要性を感じ生まれたのがDNA
思えば日本美術と夜の都市はこれまでになかった組み合わせかもしれない

And More
FLASH
雷になって
「文脈主義」から誕生したシリーズ
DNAシリーズの伏線として手がけた
雷は私たちの祖先から畏れられ崇拝の対象にしていた光
琳派の風神雷神図屏風が未だに多くのアーティストによってオマージュされる
ように雷は私たちのDNAの中に特別な存在として刻み込まれている
美しくて、でも恐くて、ちょっとエキサイティング
自分がその存在になって見る現代の世界はどんな風なのだろう
落ちた時に見えた世界が優しかったらどんなに素敵だろう

Stream
優しい風になって
自分がもし風になれるのならどんな景色を見るだろう。
風は人間よりも大きい。
だららきっと視野も広い。
ならあえてゆっくりと遠くまで行って
街を一直線に見て見たい。

Industrial
無骨×幻想が織りなす世界
夜の美しさは背徳感を内包している
その矛盾に焦点を当てて向き合いたく
無機質な人工物と幻想的な空を掛け合わせた

FACE
同時並行で見る複数の夜
現代を生きる私たちは
同時進行の情報処理に慣れている
映画では字幕が入り
テレビではワイプ画面にタレントが映り
zoomで大勢と会議する
夜の情景と
マルチタスク
現代社会が作り出した2者の親和性を模索したシリーズ
初期は人の顔や象徴的な夜景に別の世界観を組み合わせたため
Face と名付けられた

Get Lost
迷子(GETLOST)。それは街と同価値になること。
自身が街を探索する時に意識することの一つ。
その感情をGETLOSTと名付けた女性(モデル;水波咲 みなみさき)
に投影したポートレートシリーズ

2020年、世界はバグった。バグの代名詞はレトロゲーム。
現実世界のバグと仮想空間のバグがクロスオーバー
BUG

絵の世界を広げるための実験により誕生したネオンガール
SNSでプチバズりしたことにより現在展開を模索中
なおネオンガールの光る洋服は橘川の手作。モデルが着用。つまり実在の女性である。
Neon Girl

一つの光が作り出す世界をテーマにしている。まだ1作しかないものの評価が高く、シリーズ展開をする予定であったが同時期に誕生したBOMBシリーズのヒットにより、生産休止中
Sauce

Memory
プロデビューとなった2019年の主力シリーズ。
欧州の伝統的な風景とテクノカルチャーを融合させた。
色調を掛け合わせと緻密な描写が個人的にはオススメポイント。
